本編集室第2、第3弾 2024年5月21日同時発売!
『リーディング・リスト』レスリー・シモタカハラ 著 加藤洋子 訳 2024年5月21日発売 A5変型判 336頁 税抜き2800円 | 自伝小説(オートフィクション) × 文学ブックガイド 日系カナダ人4世の著者の手による自伝小説(オートフィクション)。本書の著者であり主人公でもあるレスリー・シモタカハラは、名門ブラウン大学で文学博士号を取得、カナダの田舎の大学で文学を講じている。だが、学生から〈史上最悪の教授〉と揶揄され、転職も恋愛も失敗、精神的にひどく追いつめられてトロントの実家へ帰郷。定年退職した父のために作った「リーディングリスト」=読むべき本リストに添って、日系カナダ人としての両親や祖父母の人生をたどり、自分自身の生と死を見つめる日々を送ることになる。 本書は13章から成りたっており、各章のタイトルがすべて、リストの作品名、つまり英米加の文学作品の名前になっている。たとえば、ソロー『森の生活』、ウォートン『歓楽の家』、ジョイス『ダブリナーズ』、ウルフ『ダロウェイ夫人』、ナボコフ『ロリータ』、ハメット『マルタの鷹』など。この13作品はすべて翻訳が出ていて、日本語で読むことができる。
解説 倉本さおり(書評家)
装釘 宗利淳一 |
『カズオ・イシグロ、沈黙の文学』 原 英一 著 2024年5月21日発売 四六判 312頁 税抜き3200円 | カズオ・イシグロの長編小説 8作を読み解く 日系英国人作家にしてノーベル文学賞作家のカズオ・イシグロ(1954- )。『幽かなる丘の眺め』(1983)から『クララとお日さま』(2021)に至るイシグロの長編8篇を曲亭馬琴の「省筆」をキーワードとして読み解く。 カズオ・イシグロの語りながら語らない、沈黙の文学はいったい何を「語って」いるのか。 フロイト/ デリダの「喪の作業」という考え方を手がかりに、「長い20世紀」を「埋葬」しようとするイシグロの小説世界を明らかにする。 注は最小限にし、粗筋なども解説。イシグロの小説に興味をも持つ人たちへの良きガイドでもある。 装釘 宗利淳一 |
|
『オリンピア』 デニス・ボック 著 越前敏弥 訳 2023年12月5日発売 A5変型判 248頁 | 記憶と鎮魂のファミリー・ ヒストリー 第2次世界大戦をきっかけにドイツからカナダへ移住した家族を描く連作短編集。静かで平和に見える一族の生と死が詩情豊かに語られる。点景としてのオリンピック、断片としての家族の歴史。 「ぼくたち家族の才能は永遠のものだと思っていた。」(本文より) デニス・ボック『オリンピア』を日本のみなさんにようやくお届けすることができて、うれしく思う。二十世紀の終わりにカナダで出版されたこの作品が、四半世紀を経て翻訳刊行されるに至った事情は後述するとして、まずは内容の—— と、客観的かつ冷静にはじめようと思ったのだが、やはり無理だ。一九九八年にこの作品を原書で読んだとき、なんと美しく、なんと豊かなイメージに満ちあふれ、なんと静かに力強く心を打つ文章かと思った。すっかり虜になった。いつの日か、これを日本語で紹介できたらどんなにうれしいかと思った。まだ文芸翻訳の仕事を本格的にはじめてはいなかったころのことだ。(越前敏弥「訳者あとがき」より) 装釘 宗利淳一 |
|
▆ 紹介されました! ▆
2024-03-8 クロワッサン 3月25日号
評者: 瀧井朝世
2024-03-03 神奈川新聞
評者: 江南亜美子
2024-03-02 長崎新聞
評者: 江南亜美子
2024-03-02 神戸新聞
評者: 江南亜美子
2024-02-26 千葉日報
評者: 江南亜美子
2024-02-25 中国新聞
評者: 江南亜美子
2024-02-24 日本海新聞
評者: 江南亜美子
2024-02-24 北日本新聞
評者: 江南亜美子
2024-02-24 高知新聞
評者: 江南亜美子
2024-02-18 伊勢新聞
評者: 江南亜美子