北烏山編集室
 
編集担当書籍のご案内(北烏山編集室以前の前史も含む。新着順。(M)は樋口真理、(T)は津田正の担当。

2024年5月20日

 
ガート・ビースタ著、亘理陽一・神吉宇一・川村拓也・南浦涼介訳

本文の編集を担当。外回りは明石書店さんにお願いしたが、偶然にも装幀者は私たちがお世話になっている宗利淳一さんだった。教育哲学者ビースタの入門書にもなる訳書。4人の訳者さんとzoom会議を何度も開いて訳文を検討した。その共同作業がすでにもう懐かしくも楽しい思い出になっている。(T)

 

2024年4月24日

 
越前敏弥著

2023年8月、塾通いの中学生のように毎週1回、都内の私立中学校へ通った。「日本語と英語を両方のばす」というコンセプトが決まってから、著者と版元担当者と3人で、何度も話し合いを重ねて、奇跡のような授業が実現。いわゆる翻訳指南本とは一線を画した、著者&編集者×2の執念の一冊。(M)

 
 
 

2024年2月28日

 
秋草俊一郎・戸塚学編

 

2019年、三省堂在職時に編集を担当した『世界文学アンソロジー いまから始める』の続編的企画。「世界文学」「翻訳」研究の第一人者である秋草先生と、国語教科書編集委員の戸塚先生による編著で、元翻訳家・元教科書編集者としては、大好物中の大好物。名作揃いでどの作品もおすすめだけれど、私のイチ推しはサンソム『垂直な梯子』マラマッドの『夏の読書』(加島祥造訳)もよかった。(M)

 
 
 

2023年10月30日

 
小池陽慈著

 

予備校講師として長年受験対策の現代文を講じ、数多くの参考書や大人向けの一般書を書いてきた小池陽慈氏に、中学生や初学者向けの現代文読解入門書を書いてもらいたいという熱望から生まれた企画。個別の章の連なりがしだいに強いメッセージを発していき、最終章の宮沢賢治へとなだれこむ構成が圧巻。(M)

 
 

2023年10月20日

 
ブラム・ストーカー著、唐戸信嘉訳
『ドラキュラ』(光文社古典新訳文庫)

 

15年前の創刊時からずっと愛読していた古典新訳文庫、はじめて編集のお手伝いをさせていただいた本。大好きな19世紀末のイギリス文学、唐戸先生の翻訳は素晴らしく、800ページ越えの編集作業もまったく苦にならず、遊んでいるようなお仕事だった。原田鎮郎氏制作の地図は多くの資料にあたって検証した力作。(M)

 

20239月30日


中村圭志著

 

『教養としてよむ世界の教典』の著者であり、多くの宗教入門書を出している中村圭志氏に、10代の若い人たち向けの宗教入門を書いてもらいたい。念願の企画が河出書房新社の〈14歳の世渡り術〉シリーズで実現。巻頭オールカラーの図版が圧巻。中村先生のゆるふわな語り口も楽しい。(M)

 20238月30日


 
 
デニス・ダンカン著、小野木明恵訳
『索引 ~の歴史』(光文社) 
 
 英文学系専門書を担当してきた筆者にとって、出版印刷の話と英文学の話がたくさん出てくるこの本を編集することができたことは誠に光栄だった。この本の編集のご依頼がある前から原著はすでに持っていたぐらいで、よくぞ私にこの仕事をくださったと感激もした。仕事を抜きにしても今年読んで本で最も愉快だった本だった。本文もそして索引もイギリス的ユーモアに満ちている。ただし、索引に仕込まれている遊びを発見するためには熟読が必要だ。
                     (T
 
 
 
 

2023年7月30日


 
ネマータ・ブライデンほか著、沢田博訳

個人的に愛着のあるDK社のBig Idea シリーズが河出書房新社さんから刊行されることになり、そのうちの1冊の編集をお手伝いさせていただいた。ジャーナリズム翻訳の大ベテラン沢田博氏の翻訳とDK社らしい図版満載で、30万年の黒人の歴史をぐいぐい読ませてくれる。(M)

 

2023年7月31日


大名力著
(研究社)
 古巣の研究社時代に企画した本。2014年刊行の『英語の文字・綴り・発音のしくみ』の番外編。
ピリオド、コンマ、ハイフン、ダッシュなどの記号やギリシャ文字、国際音声記号(IPA)、文字コードなどについて解説した本。この種の本はルールブックの形式になっていることが多いが、大名先生の常として、ポイントは「なぜそうなるか」を解説することだ。装幀は金子泰明さん。いつもながらカバーの文字に仕掛けがある。(T
 

2023年5月25


藤井聖子・内田諭著
(研究社)
 研究社時代の企画。チャールズ・フィルモアらによって提唱されたフレーム意味論と、電子化辞書体系であるフレームネットの全体像を解説したもの。フレーム意味論についての論文集はすでに出ていたが、概説書は日本初のはず。装幀の配色は、フィルモア先生ゆかりのUCバークレーのスクールカラーを意識したもの。(T
 
 

 2022年9月


デイヴィッド・サンプター著、千葉敏生訳
統計とか数学とか得意なわけではないし、世界を支配したいと思っているわけでもないけれど、数学的思考、統計的思考の基本をわかりやすく教えてくれる本で、編集していて勉強になりました。『因果推論の科学』『人はどこまで合理的か』のような本に興味がある方におすすめ。(T)
 

2022年7月20日


越前敏弥・金原瑞人・三辺律子・白石朗・芹澤恵・ないとうふみこ ほか著
翻訳家越前敏弥氏を河出書房新社の〈14歳の世渡り術〉シリーズの編集長さんに紹介したところ、またたくまに企画が実現してしまった、翻訳家による海外文学ブックガイド。メインの執筆者の記事はもちろん、英語圏以外の12名のおすすめ本が個性的で楽しい。(M)
 

2022年2月28日


大津由紀雄・今西典子・池内正幸・水光雅則[監修] / 杉崎鉱司・稲田俊一郎・磯部美和[編集]
 研究社退職直後にやっと校了した本。筆者は大学時代英文学が専攻だったので、英語学や英語教育はちょっと門外漢である。が、研究社時代には、英語学、英語教育の本にもずいぶんと関わることになった。生成文法はどちらかといえば私にとっては編集上のハードルが高い分野だったが、生成文法が解明しようとしていることをきちんと書き込んだこの本は非常に勉強になったし、生成文法の、志の高さのようなものを実感した。(T)
 
 
 
 
 


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